響け!ユーフォニアムBD/DVD第1巻発売記念(?) 第1話の比喩を用いた心情演出
第1話放送当時はまだブログ始めてなかったので、第1話で僕の好きな演出を考察、解説してみたいと思います。
変わろうとする努力の始まり
「高校に入ったら胸が大きくなるなんて噂、どうして信じちゃったんだろう」
そう久美子はつぶやきます。また、
「わざわざ、同じ中学の子が少ないこの高校を選んだのは、あこがれのセーラ服の高校がここだけだったのと、色んな事を一度リセットしたかったから」
とも語ります。
高校に入ったら・・・
同じ中学の子が少ないこの高校を選んだのは・・・
自分を変えたい、変わりたいと思っている久美子は、環境の変化で、自分を変えようとしています。
しかし、自分自身を変えようとはしていません。
そんな、久美子が自分自身を変えようと努力を始める、そんなシーンがありました。
まずは、髪型です。
1話の中盤辺りまでは、中学の時と同じポニーテールをしていましたが、この日の朝からは髪を下ろして登校します。
小さなことですが、れっきとした自分自身を変えるということの一つだと思います。
「わざわざ、同じ中学の子が少ないこの高校を選んだのは、色んな事を一度リセットしたかったから」
と久美子は言いましたが、環境を変えるだけで自分自身を変えようとするのではなく、きちんと中学までの自分とは違う自分になるという意味で、
ポーニーテール→髪を下ろす、ということなんだと思います。
また
この同じような構図での変化の違いの演出が私は好きです。
左は、高校初日帰宅後の久美子。
右は、次の日の朝の久美子です。
飲む飲み物が、変わっただけなのですが・・・
おそらくこういうことなのかな?と思います。
胸を大きくする努力
牛乳を飲むと胸が大きくなる!なんていうのは、いろんな作品で見かけると思います。たぶん・・・
「高校に入ったら胸が大きくなるなんて噂、どうして信じちゃったんだろう」
高校生になれば、胸が大きくなる。そんな噂に裏切られた久美子ですが・・・
この日から(続いたのかはわかりませんが・・・w)牛乳を飲み、胸を大きくする努力をし始めたのだと思います。
これも環境の変化に甘んじず、自分自身を努力で変える、ということなんだと思います。
がんばれ久美子。
また、左のコップ(お茶ですかね?)は飲みかけで、右の牛乳は全部飲み干しています。
ここはポイントだと思います。
飲みかけと言うのは中途半端、つまり、なぁなぁで中途半端な努力しかしてこなかった久美子自身を表しているんだと思います。
対して、努力することを始めた久美子は、牛乳を飲み干す、つまりは、中途半端にはしないという決意表明的な比喩が込められているんだと思います。
まとめ
環境を変える、環境が変わるということで、変化を待っているだけだった久美子が、自分自身を変える努力をし始めるという、物語の始まりにぴったりな演出だったと思います。
それを飲み物の種類、飲み残し方、髪型など、ものなどでキャラクターの心情や心情の変化を比喩的に表すこの演出が僕は好きです。
第1話の絵コンテ・演出はシリーズ演出の山田尚子さんです。
彼女の監督作「たまこラブストーリー」でも随所にそういった演出が見られます。
例えば、コメンタリーでおしゃっていましたが、モチーフとして出てくる月と地球は、それぞれもち蔵とたまこなんだそうです。(地球の周りをぐるぐる回る月、たまこのまわりをぐるぐる回っているもち蔵、なんだかひどいなw)
それを考えてみてみると随所にそのモチーフで心情演出をしている場面が見受けられます。
他にも、糸電話、バトン、たんぽぽの綿毛などなど・・・
映像を活かした、山田尚子の心情演出が好きです。
以上です。